大判例

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岡山地方裁判所 昭和62年(行ウ)1号 判決

原告

坂本守信

被告

岡山市北福祉事務所長

杉本好勝

右訴訟代理人弁護士

服部忠文

被告

岡山県知事

長野士郎

右指定代理人

松永楠男

清水博志

吉房正〓

清水興和

西村弘

岸本芳明

神田康弘

事実及び理由

第二 争点に対する判断

二 争点2について

生活保護法(以下「法」という。)は、「保護の実施機関は、被保護者が保護を必要としなくなったときは、すみやかに、保護の停止又は廃止を決定し、書面をもって、これを被保護者に通知しなければならない。」と規定している(法二六条一項)。そこで、「被保護者が保護を必要としなくなったとき」に、被保護者が監置されていることが含まれるか否かが問題となる。

法は、国が生活に困窮する国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としている。このことは、法八条及び一二条は、被保護者が一般社会において自由な生活をすることを前提として、生活扶助を衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なものの範囲内において行うことを定め、これを受けて保護の基準も一般社会の日常生活を保護するように定められていることからも明らかである。

現行制度上、右のごとき最低限度の生活保障という観点からみて、法に基づく身体拘束者に対し、社会保障としての生活保護を実施することは全く予定されていない。

また、監置に処せられた者については、関係法令等により、監置という目的に応じた生活保障がなされることとなっており、原告本人尋問の結果及び弁論の全趣旨よりすると、原告は、本件監置期間中は、監獄法三二条及び三四条の規定により一定の衣類臥具の著用及び糧食等の給付がなされ、監置という目的に即した保障が実施されたことが認められる。

原告は、本件処分は、本件処分期間中の住宅扶助は支給されたことと矛盾する旨主張するが、〔証拠略〕によれば、住宅扶助は、原告が本件監置前に住居費用の供託手続をとった上で支給申請をなしていたため、生活保護の支給基準にあてはめ、需要があったと認めて支給したものと認められるのであって、本件処分と矛盾しない。

よって、被保護者が監置されていることは、法二六条一項における「被保護者が保護を必要としなくなったとき」に含まれると解され、本件処分が違法である旨の原告の主張は採用できない。

(裁判長裁判官 梶本俊明 裁判官 徳岡由美子 種村好子)

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